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Japanese Nihonshu海を渡る酒半

eSakeの大志
「日本酒を輸出する事業に取組むための組織を立ち上げます。一緒にやりませんか?」お世話になっていたある方からそんなお誘いを頂いたのは1997年のことであっ た。当時はまだ、そんな夢のようなことができるのか、という気持ちもあったが、その可能性に挑戦したい、という想いに促されて、会合に加わった。立ち上がった組織は日本酒輸出協会。Sake Export Association SEAと略 称し、会長には松崎晴雄氏が就任された。全国から集まられた蔵元は錚々たるメンバーで、私のような小蔵の経営者には場違いかと案じたが、プロジェクトの進捗につれそのおもしろさと、実際の輸出に向けて大きな可能 性があることを感じはじめるにつれ、次第に夢の実現を目指すようになった。

www.esake.com活動の主たるものは酒の啓蒙活動としてのミッション団の派遣であった。はじめは手探りで催しを構成していたが、やがてその形が固まっていった。まず、前 半の酒に関するセミナー。色々な酒のテーマをもとに講演会を持つ。その後の質疑応答では、意外に高い酒についての知識レベルや、集中する鋭い質問に感銘した。そして後半は利き酒会。ニューヨークで も当時はまだあまり市場に出ていなかった吟醸酒を、参加した蔵元が自分の蔵の威信をかけて手荷物で持ち込むのだから品質は最高のものが並ぶ。参加者は目を見張った。こ れがサケか。こんなものを飲んだことがない。信じられない味わいだ。賞賛の声が続く。

Sake in 35 USA States !!!!喜んでいるまもなく、次の質問は必ず、「それで、どこで買え るんだ。」だった。「まだ買えないんですよ、お客様。もう少し待ってください、いまに、マンハッタンの酒屋さんで買えるように致しますから、、、、」こんな状態が何年か続いた。明ら かにアメリカのお客様も日本酒の味わいがわかってただける。その上、酒には日本文化と伝統に裏打ちされた素晴らしい日常の営みがある。酒を造る技。それに生涯をかける酒の 匠たち。伝統的な建築様式で残る酒蔵。それぞれの地方が誇る豊な料理。数え上げればキリのないコンテンツの宝庫たる日本酒の世界の素晴らしさと、将来の大きな可能性を確信していった。

なかなか前に進まない実際の販売チャネルの構築のむずかしさの壁にぶち当たっていた頃、インターネットというツールがその状態を突き破る手立てになるかもしれない、と思う ようになっていった。1999年9月。「インターネットは世界を単一の情報で覆う、という幻想がある。」という書き出しで始まる小論文をビジネス誌で目にした。筆者は橘川幸男氏。「 サイバーナショナリズムの時代・日本の文化や慣習がネット上で再構築され始めた。」と題したこの論文の結語を引用させていただく。

www.sake-world.com (ENGLISH LANGUAGE SITE)「日本には、日本固有の文化と生活がある。これを、インターネ ットの中で、新しく再構築させねばならない。単なる表面的なガイドブックではなく、私たちの歴史と生き方を、インターネットの上に日常化しなければならない。それは、これから世界中で始まる新しい動きになるであろう。

インターネットは国家と国家、人と人との物理的距離を無にすることができる。だからこそ、余計に国家や個人のオリジンが大切になるのだ。今、日本のサイトには世界中から大 勢の人が日常的にアクセスしている。観光客もいればビジネスマンもハッカーもいる。必要なのは、日本の文化のコンテンツが詰まった日本の玄関(ポータルサイト)ではないだろうか。

世界の人に受け入れられる情報の発信が出来るかが、21世紀の日本のインターネットビジネスにおいて、欠くことのできない視点である。」

読んでいるうちに気持ちが昂ぶってくるのがわかった。日本酒だ!日本酒はそれが出来る。今だ。いてもたっても居られず、会合で一緒になったジョン・ゴントナーを駅前のマック の二階に引っ張り込んで夢を語り、一気に事業計画書を書き上げたのが、eSake.com であった。啓示を受けた夏の出会いから突っ走り、エンジニアリングを一手に引き受けて くれたマーク・シューメイカーの奮闘の甲斐あってオンラインに漕ぎ着けたのが1999年11月15日。自分たちの夢を乗せたサイトが動き出したときの感激は忘れられない。

爾来約八年。今こうして自分たちの酒が全米46州あまりに送られ、多くのお客様にGinjo の素晴らしい味わいの世界をお届けすることが出来るようになった。どこで買えるんだ、と いわれた頃から見ると夢のようである。これからも、販売を受け持っていただくパートナーたちの熱い期待とお客様の喜びの声を力に、eSakeの大志を掲げつづけてゆきたい。

 

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Overseas Partners
酒の伝道師たち

巡り会いは突然やってくる。2000年頃のドットコムブームの中で、ワインのインターネットビジネスを目指すいくつかのベンチャー企業との提携話が生れては消えていった。落 ち着くまで少し様子を見ようかと考えていたころ、今の米国側輸入総代理店、Vine Connections 社を紹介された。サンフランシスコに本社を置くワイン専門の輸入卸売業 者で、南米産のワインを扱って急成長しているという。ベイブリッジを見上げる港の埠頭に、倉庫兼事務所があった。会ってみると二人の若い共同経営者が、営業と内務を分 担して走り回っていた。小さい会社だったが、二人の真摯な姿勢と熱意に感じ入った。はじめから米国での戦略を非日本食のレストランと米国人の一般家庭で飲まれることを ターゲットにしているeSakeとしては全米の流通業者へのフットワークが良く、願ったりの相手だ。即刻、提携の握手をした。  

Vine Connections of California 

数ヶ月掛けて輸出入のインフラ整備や輸入許可証などの書類申請をしていた頃、営業担当のニックが、酒造りの現場を経験したいから大門の蔵へ行ってもいいか、という。そ れは願ったりだと、二つ返事で了解した。彼の論理は明確だった。「自分はワインについてはプロだが、酒のことは全く知らない。これから売ろうとする相手の流通業者やレス トラン経営者も知らない。知らないもの同士がディールするなどということは避けねばならないので、自分がまず勉強しに行く」2002年が明けた正月、彼は酒半の門の前に立っていた。

そのころ杜氏職を務めていた横道俊昭と蔵人のフィリップ・ハーパーもニックの意気に感じ入り、蔵の隅々までつれまわし、あらゆる作業を一緒にした。二人は言った。「彼は本気ですよ」ニックがあとで述懐する時、笑って「 あの五日間はヤツらの奴隷だった」というように、数日間の濃密な共同生活の中で信頼関係とお互いのプロとしての尊敬の念が芽生えていった。

その後、彼は全米を飛び回る日常的な営業活動の中で、着実に酒に興味を示す流通業者を組織し、流通する州も順調に増えていった。そしてその間、eSakeの伸張に時を合わせたよう に、米国内での吟醸酒に対する認知度は上がっていった。「いよいよ次の酒伝道師を育てるときだ」。いいさけ蔵元会とVineconnectionsは全米から選りすぐった流通業者を 日本に招き、酒蔵を訪ねることにより、その世界を知ってもらうための訪問団を組織した。頭より、心で、蔵元が守ってきたものを知ってもらいたい。それをまた、次の人々に伝えて欲しい。

2004年3月8日。VC社のニックとエドが6人の参加者と共に成田に降り立った。「第一回日本酒蔵訪問研修団」の訪日の実現だ。それから一週間、岩手の南部美人、栃木の天鷹、大阪の酒半と、彼らの酒蔵巡礼は続いた。その 間、蔵の現場で早朝から酒造りの作業に参加したり、温泉で日本様式の寝起きを経験したり、また、相撲の稽古の見学、プロとしての利き酒の講習など、多彩なプログラムを こなしていった。その間のエピソードはまた改めてお伝えすることにしよう。

訪問団を見送った後も残り、「これで酒の伝道師がまた増えた」と微笑むニックとエドに、蔵元たちがこのとこ ろの輸出量の伸張振りにお礼を述べると、彼らは言った。「これくらいの量で喜ぶのはまだ早い。われわれの大きな成功の物語は、まだ始まったばかりだから」。力強いこの言葉に将来への希望が大きく膨らみ、胸が高鳴るのを感じた。  


米国側輸入総代理店、Vineconnections社のリーマン氏とラムコフスキー氏
Ed Lehrman and Nick Ramkowsky of Vine Connections

eSake's Top USA Sellers 2003 - Visit to Japan March 2004
2004年春に酒半をお訪ねいただいた米国内流通業者酒蔵訪問団の皆さま。
2003年度の米国内販売数量のトップ6社のオーナーです。
Top USA Sellers in 2003
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